ー思いを定着するー【贈る言葉/望月敬明先生の巻7】

 人、それぞれに一生を生きていくその間に、人それぞれに或時はあれを思い、或時はこれを思う。その心、その思いを、ある人は軽く見過し、ある人は大切に心のヒダに刻み込む。そしてある人はその刻み込まれた思いを、和歌に、俳句に、小説に、又彫刻に、或は織物に、焼物に、又音楽によって定着させようと試みる。
 貴方方は今それを合唱によって定着させようとしている。そしてその貴方達の定着させた音楽が、充実した響きとなる時、その響きは貴方方自身にとっても、この時点でのある思いとなって、逆に又貴方達それぞれの心のヒダに定着する筈ですし、又それをきかれる方々の心にも強く印象を残し定着することでしょう。どうぞ、それ程の響きを伝える合唱であってほしいと願っております。
 お運びを頂いた方々に感謝し、尚一層のご声援をお願い申しあげながら一言御挨拶にかえます。

1973年12月14日
顧問 福井大学教授 望月敬明

 

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