「生きる」とは「息る」こと【梅村憲子先生の巻1】

「生きる」とは「息る」こと。これは私の恩師 野口三千三が残した沢山の言葉の中の一つです。「歌うことは息をすること」。これは私がいつも学生たちに言っている言葉の一つです。「歌うことは生きること」。合唱とはそこに集った仲間たちと共に生きることなのです。
 
お互いの息使いを感じ合い、耳を研ぎ澄ましてハーモニーを作る・・・。青春の多感な時代に仲間たちと、合唱という濃密な時間を過ごしている彼らに、私は嫉妬の混じった??を感じます。もう2度と戻らない自分の青春時代に、私は彼らほど強い結びつきの中に生きていただろうか、と。
 
言葉は音を伴って歌われたときに、なぜこんなにも人の心を打ち、心を震わすのでしょうか?それは大昔、まだ人間が言葉を持っていなかった頃から、私たちが歌っていたからなのかも知れません。
 
心は傷つきやすく、でも必ずその傷を癒す力を持っています。今日の彼らの歌声が、この時間を一緒に過ごしてくださる皆さんの心に、力をくれますように。皆さんからは、まだ若い彼らの精いっぱいのステージに、どうぞ惜しみない拍手をくださいますように。今日のご来場に感謝いたします。

2013年12月14日
顧問 梅村憲子

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