ー楽しみへの期待ー【贈る言葉/望月敬明先生の巻4】

 様々な演奏会のプログラムには素晴らしい贈る言葉が記載されています。このブログでは毎週一件づつ紹介していきます。音楽に寄せる気持ちは今も昔も変わりませんね!
皆さんが音楽会で出会った心に残る言葉 ご一報下さい!!

ー楽しみへの期待ー
 楽しみという内容には3つあるという。その1は楽しむこと即ち快楽、その2は心を慰めること即ち娯楽、その3は待ち望むこと即ち期待、であるという。こうしてみると、1と2に比べ3は一歩ふみ出した状態、いいかえれば積極的な心の姿勢を思わせる。積極的な心の姿勢とは、対象が何だろう、どうだろう、何かがあるに違いない、もっと何かがあるとする心、そしてそれを知りたい、それにふれたい、それを把握したいとする意欲であり、そこにはじめて創造がある。そしてその姿勢あってこそ音楽の場合、そこに演じられる音楽は単なる再現でなく創造である、即ち演奏者自身のものである。平たくいえば、心のあふれた、心の通う、いいかえれば感動ある演奏、音楽そのものである。私はいつの場合も、そこに「演奏者の心」のある音楽を期待している。そしてそこにはじめて「楽しみ」があると思っている。

1967年12月21日
音楽科教官 望月敬明

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