ー心の三Cー【贈る言葉/望月敬明先生の巻12】

 ある人によれば、これからは心の三C時代だという。
 戦後30年、所得の上昇と共に、個人差はあれ、物については或程度の充足感をもつようになったこの頃、ようやく、人々は物から心への関心を示しつつあるという、つまり物の豊かさにあき足らず、心の豊かさを求めはじめているという。
 それは、カルチャア、コミュニティー、クリエートの三Cであり、時代は今や心の三C時代を迎えているという。
 
ところで、合唱という場を共にする皆さん、このことは当然のことながら、共感を覚えられることでしょう。何故なら、貴方がたの好きなコーラスという行動は、まさにクリエート、つまり創造であり、又コミュニティー、つまり地域社会、いいかえれば仲間の力の結集によって成るのであり、それは当然カルチュア、教養・文化というものに連がるのであることはいうまでもないからです。
 
こうしてみると、合唱連盟の皆さん方は、それぞれのキャリアの年月なりに、時代を先取りされていたということであり、更に皆が力を合せて、一人一人のカルチュアのために、そして又合唱音楽というカルチュアののために努力致したいものと考えるものです。

1980年6月8日
福井県合唱連盟会長 福井大学教授 望月敬明

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