ー「格構(かっこ)いい」ということー【贈る言葉/望月敬明先生の巻16】

  近頃、若い人々のあいだで「格構(かっこ)いい」などという言葉がよくきかれます。格構いいことは大変結構で又大切なことだと思いますが、芸術といわれるものも、それが本物であれば、本当に「格構いい」ものだという感じを私はもっています。
 能にしても、美術品にしても、建築にしても、又音楽の演奏にしても(カラヤンの指揮など)、これら芸術として古から現在にまで生き、そして続いているものすべて皆、芸術として本当に格構いいものです。
 而もそれは、外からつけた格構よさではなくて、内部から自然に生まれてきた「格構いい」というものであろうし、芸術がほんものに近づくほどその格構よさは深まりを増していくものと思われます。
 今夕の演奏が、そうした意味の「格構いい」音楽であってほしいと願っているものです。

1975年12月19日
福井大学教授 顧問 望月敬明

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